東京都渋谷区の原宿にある『はちやデンタルクリニック』監修
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契煙者に対して「タバコをやめようという気持はありますか?」と質問すると、「はい」と答える方はほとんどいらっしやいません。たいていは「今はやめるつもりはない」・「やめる苦しみはがまんできそうにない」・「自分には無理」といった消極的な答えが返ってきます。
つまり,禁煙する気満々の喫煙者というものはありえないのです。それもそのはず、「はい,やめたいです!」と答えるような喫煙者はすでに禁煙を達成し、もはや喫煙者ではなくなっているからで、禁煙指導の難しさはここにあります。
特に、歯科医院に来て禁煙を勧められることになろうなどと患者様は予想もしていません。 しかし、上記のような「消極的な」喫煙者であっても、「禁煙のメリットが多いのなら、楽に禁煙できるのなら、やってみようかな?」という気持の方がほとんどなのです.
禁煙に失敗しても何もデメリットはありません。もし成功すればメリットはたくさんあります。
「絶対にやめたくない」というごく少数の禁煙拒否の患者さんを除けば,すべての喫煙者が禁煙希望者であるといっても過言ではありません。
禁煙指導を始めたころは,タバコの害についてとくとくと説明していました。「タバコをやめないといま残っている歯もどうなるかわかりませんよ」というような「脅し」もときには使ってきました。
そういうときの患者さんは、片方の口角をすこしだけあげて「ふっ」と、笑いともため息ともとれる小さな声を漏らすのです。
喫煙者の肺の写真やがんの羅患率などのデータを示すのももちろん必要なことですが、それだけでは実際の禁煙指導(禁煙支援)まで至らずに終わってしまうこともあります。
喫煙者はすべて、多かれ少なかれタバコの害について知識をもっています。一般的な害を並べてるだけでは、かえって頑固になったり、喫煙と非喫煙者の対立感が増すばかりになってしまいます。
憎むべきはタバコであり、喫煙者である患者さん自身ではありません。
「喫煙はニコチン依存というれっきとした病気である」ということをまず患者さんに伝えましょう。そして,患者さんとの会話のなかからタバコを吸う理由,禁煙に蹄み切れない理由などを聞き取ります。逆に禁煙するとどんなよいことがあるかも、考えてもらいます。
実際にご自分の口腔内写真を見ていただくと、ほとんどの方が驚かれるため、そのあたりから禁煙へ導く糸口を見つけられることは多くあります。
家族といっしょに暮らしている方なら受動喫煙の話も効果的です。子どもが生まれた・妊娠した・新しい家に引っ越したなど・禁煙のきっかけとなりうるイベントは毎日のなかにたくさんあります。
これまで話をしても聞く耳をもたなかった方が、自分から「禁煙しようかな」と突然(ではなくきっと何かきっかけがあったのでしょうが)決心されることもあります。
歯科医院では、喫煙が歯周病のリスク因子であることの説明はもちろん、着色や歯石を除去することもきっかけになります。





私たちが患者さんに禁煙について話す際は、禁煙の失敗を恐れたり恥ずかしがったりする必要はないということを強調しています。
禁煙は1回のチャレンジで成功する方は少なく、ほとんどの方が数回のチャレンジを試みています。たとえチャレンジして失敗したとしても、禁煙できた数時間、数日間は大変意味のあることですから、失敗を恐れずに何度でもチャレンジするよう勧めます。
また、禁煙に踏み切れない方の多くが、ニコチン切れのさまざまな苦しみを理由にあげています。たしかに以前は、ニコチン欠乏症状をひたすらがまんするというのが禁煙の典型的な方法でしたが、最近はニコチンパッチ、ニコチンガムなどの代替療法が普及し、苦痛も少なく禁煙を達成することが可能になりました。
禁煙指導(支援)でもっとも必要なのは、患者さんの口腔内と身体の健康を大切に考える、私たち歯科スタッフの気持です。私たちの仕事は、患者さんの心の中にに禁煙の「種」をまくことです。
それはすぐには芽を出さないかもしれません。でも、まきっぱなしでなく水をやり続けていれば、いつか芽を出すに全いないのです。
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